看護の王国 訪問看護ステーション「看護師」の金子です。
訪問看護の現場では、看護師自身だけでなく、利用者さんとご家族、主治医、ケアマネジャー、ヘルパーなど多くの人が関わっています。
「利用者さんのために」という思いは同じでも、それぞれの立場や役割、視点は異なるため、時には意見を交わすことが必要となる場合もあります。
そんなとき、中心的な役割を担うのも訪問看護師なんです。
それぞれの意見が交錯する複雑な状況において、俯瞰力を活かして冷静に対応すること。
看護師ならば経験のなかで自然に身についている方も多いのですが、何気なく発揮している俯瞰力が、実は信頼されるためのとても大切なスキルなんです。
「俯瞰力」とは、「物事や思考を全体的に眺める力、高い視点から全体をフラットに見ること」をいいます。自分や特定の立場に捉われず、一人ひとりの思いを理解しつつ、その先の全体像を把握する能力です。この力は、偏りのない公平な判断をし、多職種との信頼関係を構築していくうえで、とても大切になってくると考えます。
俯瞰力を身につけるには、
- 目の前のことだけでなく、周りにも目を向ける意識付け
- まずは身近な人の視点に立ち、徐々に視野を広げていく
- 意味のわからないことや考えても仕方ないことにも思考を巡らせる
こんな経験を積み重ねること。
(看護の現場では毎日行っていることばかりだと思いませんか?)
また、訪問業務や日常生活の中で視野を広げる訓練をしていけば、さらに「俯瞰力」は磨かれていきます。
たとえば、利用者さんの思いとご家族の想いが違うとき。
この先の状況を予測して「今するべきこと」の中から適切なものを選択するためには、眼の前の状況だけに囚われず、広く長い視点で考える必要があります。
そんなとき、俯瞰力があれば冷静に最適解を導き出すことができます。
訪問看護は複雑な課題に直面する機会が多い仕事です。
「俯瞰力」を身につけた看護師が現場に増えれば、組織力や信頼性の高い職場作りにもつながるはずです。
利用者さんからも連携するスタッフからも信頼される訪問看護師を目指し、日々俯瞰力を高めていきましょう。
気になることがあればお気軽にご連絡ください。