看護の王国 訪問看護ステーションの平田です。

今回は、一生懸命な訪問スタッフだからこそ陥りがちな「頑張るからこそ辛くなる」についてお話してみようと思います。

当事業所にも多くの訪問スタッフ(看護者や理学療法士)が「訪問看護に挑戦したい」と、志高く面接に来られます。

そもそも、訪問(在宅)で働きたいと興味を持った多くのスタッフは「人のために」や「なんとかしてあげたい」という”寄り添うこと”を大切に思っている「真面目で頑張りやさん」だと思っています。

でも。一生懸命だからこそ燃え尽きてしまう方も中にはおります。

訪問看護というのは、利用者さんの生活の場に踏み込んでいく仕事。

身体的なケアだけでなく心の側面から利用者さんに触れるのが訪問看護です。

だから、体調の変化に伴って利用者さんが辛くなった時、また、その状態に向き合うご家族がしんどくなった時に、共感したり感情移入する場面もたくさんあります。

でも、訪問スタッフだからこそ、プロとして「一線を引く」という厳しさも大切なんです。

冷たい言い方に聞こえるかも知れませんが、訪問スタッフはどんなに頑張っても、利用者さんやそのご家族になることはできません。

当事者の気持ちを全て理解することは困難です。

ですから、もしも感情が流されそうになったときは、その一線だけは超えないようにしてほしいと思います。

たとえば、もしも利用者さんやそのご家族が辛さのあまりに沈んでしまいそうな時、訪問スタッフが同じ気持ちで同じ方向を向いていたら、沈み続けてしまうかも知れません。

訪問看護の仕事は、よりよい道を見つけ出し、多くの道筋があることを提示すること。

ときには再び浮上できるようにサポートし導いていくことです。

共感することは大切なことですが、感情に流されないよう自分自身をコントロールしましょう。

客観的な視点を持ちながら、利用者さんのことを思い、利用者さんに寄り添って支援することは大切なこと。

「頑張りすぎて辛くなる」ことなく、利用者さんとの距離感を大切にして訪問看護を楽しんでほしいと思います。

 

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